logo
ログイン会員登録
記事詳細 Topバナー Iolite 5月号Amazon
記事詳細 Topバナー Iolite 5月号Amazon
ビットコインETFのイメージ
暗号資産
Web3.0
金融・経済

【NEWS】ARK Investがビットコイン現物ETFの申請を修正 SECの批判に対応

里見 晃
2023/10/15

米大手ヘッジファンド・アークインベスト(ARK Invest)と21シェアーズ(21Shares)は共同で提出しているビットコイン現物ETFの申請内容を修正した。

これは米SEC(証券取引委員会)が懸念していた内容を修正し、承認率を高めることを狙いとしたものだ。

SECは先日、アークインベストと21シェアーズが提出したビットコイン現物ETFの最終審査ついて決断を延期している。期限は2024年1月10日前後だ。

ビットコイン現物型ETFを申請しているなかでも最も早く審査結果が出るとあって、世界最大手資産運営企業のブラックロック(BlackRock)やフィデリティ(Fidelity)など他社のビットコイン現物ETF申請の基準となり得る。

ブルームバーグのETFアナリストであるエリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏はX(旧Twitter)で、今回修正された内容は暗号資産取引所(仮想通貨)コインベース(Coinbase)の保管慣行についてコメントが追加されたと指摘した。

具体的には、ファンドの資産がビットコインブロックチェーン上の隔離されたアドレスに保管され、ETF資産が企業資産や顧客資産と混同していないことが記載されている。

SECは以前、監視共有協定が不十分であるとしてビットコイン現物ETF申請について批判していた。こうしたSECの懸念に対処するため、いくつかの申請には7月に提出された修正を通じコインベースとの協定が組み込まれていた。

修正された申請書では、ファンドが使用する特定の評価方法が米国の一般に認可されている会計原則(GAAP)に準拠していないことも指摘している。

財務アソシエイト企業Van Buren Capitalのゼネラルパートナー兼法務顧問のスコット・ジョンソン(Scott Johnsson)氏は修正された申請書について、「違法行為に関するコメントが含まれている」と指摘した。申請書によれば、暗号資産が違法取引に使用される際や、またはそのような取引に使用されているとみなされた場合、ETFの価値が下落する可能性があるとしている。

ジョンソン氏はまた、ビットコインのマイニングと電力消費に関するセクションについても言及。申請書で、マイニング、政府の規制、エネルギー価格の変化、マイニング会社の閉鎖による環境への影響がビットコインの価格に影響を与え、提案されているETFの価値が下がる可能性があることを認めているという。

先月29日、SECはブラックロック、ヴァルキリー(Valkyrie)、インベスコギャラクシー(InvescoGalaxy)、ビットワイズ(BitWise)からの提案についてより広範なコメントを求めた。

アークインベストはその時点では要請の対象ではなかったが、SECが示した懸念を考慮し、その情報をもとに自分達の申請書について修正することで対処したという。

参考:エリック氏Xジョンソン氏X
画像:Shutterstock

里見 晃