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【NEWS】CMEのビットコイン先物OI、バイナンスを上回りトップに

里見 晃
2023/11/12

CMEが初めてバイナンスを上回る

10日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の先物取引において、米コモディティ取引所大手CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が提供する先物のOI(未決済建玉)が急増し、10万を超えたことがわかった。初めてバイナンスのビットコイン先物の建玉の数を上回った。

CMEのOIは10.9万BTCで約40億ドル(約6,070億円)超。2位の大手暗号資産取引所バイナンスが抱えるOIは10.2万BTCで約37億ドル(約5,615億円)に相当する。

コイングラス(Coinglass)のデータによると、13日時点でCMEのBTC先物のOIは11.1万BTCで、10.6BTCで2位につけるバイナンスとの差は拡大している。

複数のアナリストによると、CMEにおけるBTC先物のOIが10万を超えたことは重要なマイルストーンであり、暗号資産市場のポジティブなセンチメントを反映しているという。特にこの傾向はビットコイン先物への関心が高まっていることを示しており、市場のセンチメントが前向きに変化している可能性や、投資家がより慎重となって保護的な戦略を模索している可能性があることを示唆しているようだ。

OIの急増は、いくつかの重要なマクロ経済的要因に起因していることが考えられる。たとえば、重要な要因の1つとして、SEC(米証券取引委員会)がビットコイン現物ETFを承認する可能性が高まっていることがあげられる。

ビットコイン現物ETFが承認されることにより、あらたな投資家から数十億ドル規模の資金がビットコイン市場に流入する可能性が考えられる。ビットコインの価格が押し上げられることになり、2021年11月につけた最高値を超える可能性も出てくる。

市場アナリストによると、初回利下げが実施されるのは早ければ2024年3月になるという。これが実現すれば、株式や暗号資産などリスクオン資産の大幅な上昇につながる可能性がある。一方、この時期はビットコインの半減期とも重複する。ビットコインの価格はさらなる高騰のきっかけとなる可能性もある。

さらに、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げ計画に関する最近の情報でハト派的なスタンスに転換したことにより、市場参加者の間で楽観的な見方が生まれ始めている。こうした状況も暗号資産市場の継続的な強気感情に貢献している。これらはビットコイン価格の上昇の潜在的な要因ともなる。


イーサリアム現物ETFの申請も市場に好影響


現在、資産運用企業大手のブラックロック(BlackRock)が申請するビットコイン現物ETFの承認が有力視されるなか、同社は先日イーサリアム(ETH)現物ETFの申請準備に取りかかったことが明らかになっている。

これによりイーサリアムの価格は急騰し、2000ドル(約30万3,500円)を突破した。ビットコインもこれに連動する形で上昇し、一時は38,000ドル(約576万円)に迫った。記事執筆現在は37,000ドル(約560万円)ほどで推移している。

参考:コイングラス
画像:Shutterstock


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