logo
ログイン会員登録
記事詳細 Topバナー Iolite 5月号Amazon
記事詳細 Topバナー Iolite 5月号Amazon
コインベースの画像
暗号資産
金融・経済

【NEWS】コインベースの暗号資産取引量、過去最低の基準となる可能性

里見 晃
2023/10/16

米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の第3四半期における取引量が過去最低基準となる可能性がある。11日、ブルームバーグがデジタル資産データプロバイダーCCDataの分析をもとに報じた。

報道によれば、コインベースの現物取引量は第3四半期に過去最低の半分以下に急落しているとして、投資家の暗号資産への関心がいかに急速に枯渇したかがうかがえる結果だとしている。

またCCDataが分析したデータによると、コインベースの現物取引量は約760億ドル(約1兆1,360億円)で、前年同期比では52%も減少しているという。この数値は2021年4月に同社がナスダックに上場する直前、あるいは暗号資産の市場価格がピークに達するわずか数ヵ月前以来、最も少ないという。

取引量は暗号資産取引所にとって重要な指標となる。第2四半期ではトランザクション収益が総収益の54%を占めていたとコインベースは述べていた。

同社株を市場パフォーマンスと評価する金融サービス企業オッペンハイマー・アンド・カンパニーのアナリスト、オーウェン・ラウ(Owen La)氏は、コインベースは11月の決算発表で7四半期連続の赤字を計上することが予測されるとし「全体的にみて厳しい四半期となった」とコメントしている。

みずほ証券によると、コインベースの取引量がコンセンサス予想の860億ドル(約1兆2,860億円)を下回り、収益が予想を10%下回るとして下方修正している。また、アナリストのライアン・コイン(Ryan Coyne)氏によれば、現在の第4四半期も大幅な改善が見込まれていないという。

こうしたコインベースの取引量減少の背景にはSEC(米証券取引委員会)の規制問題があるようだ。同社はSECから違法取引所の運営の容疑で告発されており法定で争う姿勢を崩していない。

しかしコインベースは同四半期に市場シェアを獲得した可能性が高い。CCDataによれば、現物取引量の全体に占めるコインベースの割合は、前年同期の4.2%から5.7%に上昇しているという。

コインベースの株価は2021年ナスダック上場後は350ドル前後で取引されていたものの、昨年末は86%下落の35ドルを推移。今年に入り2倍の約80ドルを推移している。

参考:報道
画像:Shutterstock

里見 晃