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【NEWS】エストニア、暗号資産プロバイダーに関する規制を施行へ

里見 晃
2024/03/24

市場環境の浄化を促進へ

エストニア政府が、暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダーに関する法的要件を確立する初めての法案を承認した。22日、地元メディアらが報じた。

これにより、暗号資産関連企業は2026年からエストニア金融監督庁の監督下に置かれることになる。

2021年には世界の暗号資産サービスプロバイダーのほぼ半数、そして数千社がエストニアで登録されていたと指摘している。しかし、現時点では再三にわたる規制変更によりその数は50まで減ったとしている。

金融情報局のCEOであるマティス・メーカー(Mathis Maeker)氏は「これまでと変わる点は、暗号資産関連企業が金融監督庁の監督下に置かれるということだ。以前まではマネーロンダリング防止要件にしか対処していなかったが、そもそもそれが問題の一部だった」と述べ、あらたな暗号資産規制をこのタイミングで整備する必要性を強調した。

さらに、「彼らは顧客から預かった資金で何かをしている。これが問題だ」とした上で、「顧客が預金を引き出したいと思うタイミングで実行できるシステムを整備する必要がある」と述べた。

エストニアでは金融犯罪に加えて、暗号資産関連企業の破産やサイバー盗難も発生しており、これによって資産を失う国民が増加傾向にある。これを防ぐべく、金融監督庁が監督に乗り出した格好だ。


罰金は大幅に引き上げ予定

運用要件と報告書の作成はますます厳しくなってきている。現行法ではマネーロンダリング防止法に基づき最大40万ユーロ(約6,550万円)の罰金が設けられているが、あらたな法案では500万ユーロ(約8億2,000万円)にまで引き上げられている。

マルト・フォルクラエフ(Mart Võrklaev)財務大臣は「2025年に金融監督庁がライセンスの発行を開始する。現在、金融情報部門からライセンスを取得している企業は、2026年までに金融監督庁から追加許可、あるいは新規許可を取得する必要がある」と説明。続けて「この取り組みを真剣に受け止め、サービスを提供したいと考える事業者は誰でも、あらたなライセンスを得ることができると信じている」と述べた。

経済アナリストであり、金融投資顧問企業レッドゲート・ウェルネスのCEOであるピーター・コッペル(Peeter Koppeli)氏によると、「投機家は暗号資産関連ビジネスからすでに利益を得ているため、暗号資産市場の合法化が暗号資産そのものの信頼性を高めるものではない」と指摘する。

また、「これは環境を浄化するための第一歩だ。少なくとも私にとって、そして投機家や個人投資家にとっては本質を変えるものではない」と語った。

参考:報道
画像:Shutterstock


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