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【NEWS】ビットコイン現物ETF承認報道は誤報 一時約3万ドルまで上昇

里見 晃
2023/10/16

日本時間16日夜、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の価格が急騰。28,000ドル(約418万円)前後から一気に30,000ドル(約448万円)に届くかという勢いをみせた。

高騰の原因は、米大手資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が申請しているビットコイン現物ETF「iShares Bitcoin Spot ETF」が米SEC(証券取引委員会)から認可されたという米暗号資産メディア・コインテレグラフ(Cointelegraph)による報道だ。

しかし、これについてブラックロック及びSECも発表をしなかった。その後、FOXの記者がブラックロックに確認し、「これは完全にフェイクニュースだ。現実点でこれを裏付ける証拠は何もない。ブラックロックは完全に否定した。彼らの申請の審査は継続している」と述べている。

さらに、著名なFOXビジネスジャーナリストのエレノア・テレット(Eleanor Terrett)氏はX(旧Twitter)で「彼らの申請はまだ審査段階にある」を投稿した。

申請承認の報道が誤報とわかるとビットコインの価格は急落。その後価格は回復し、現在は28,000ドル台前半を推移している。

今回の報道自体は誤報だったとはいえ、ビットコイン現物ETFの承認が事実となれば市場に大きな影響をもたらすことが裏付けられた格好だ。改めてビットコイン現物ETFの存在価値を示した形となった。

ブラックロックのiShares Bitcoin ETFはこれまでに申請されてきたビットコイン現物ETFのなかでも最も承認の可能性が高いものとして有力視されている。昨年8月には米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)と提携し、iShares Bitcoin ETFの監視共有も同取引所が行う。

ブラックロックの申請が承認されると、フィデリティ(Fidelity)、ヴァンエック(Valkyrie)などの大企業が申請しているビットコイン現物ETFも承認を得る可能性が高まる。SECは今月中に決断を下す予定であった審査結果を2024年1月まで延期した。

一方、SECは今年8月に敗訴した暗号資産運用大手のグレースケール(Grayscale)が提供するGBTC(ビットコイン投資信託)の現物ETF転換を巡る裁判の判決について、控訴しなかった。これにより、グレースケールの申請を含めビットコイン現物ETFの承認が一層高まった。

今回の誤報はこの出来事の後に報じられた。コインテレグラフは公式Xで「ブラックロック・ビットコインETFに関する不正確な情報の拡散につながったツイートについてお詫びいたします」と述べ陳謝している。

参考:テレット氏XコインテレグラフX
画像:Shutterstock

里見 晃