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FTX元CEOバンクマン=フリード有罪
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【NEWS】FTX元CEOサム・バンクマン=フリード被告に懲役25年の判決

里見 晃
2024/03/28

FTX破綻から1つの節目迎える

詐欺罪など7つの罪で起訴されていた大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの元CEOであるサム・バンクマン=フリード(Sam Bankman-Fried)被告は28日、米ニューヨーク州南部地区連邦裁判所で懲役25年の実刑判決と110億ドル(約1兆6,600億円)に及ぶ資産の没収を命じられた。

バンクマン=フリード被告は詐欺、証券詐欺、共謀罪、陰謀、マネーロンダリングなど7件の罪で起訴されていた。同氏の弁護士は同日、控訴する方針であることを表明した。

ルイス・カプラン(Lewis Kaplan)判事は判決言い渡しの際、バンクマン=フリード被告が公判証言中、何度も偽証を繰り返していたと語った。さらに「不正行為を知りながら権力と影響力を利用し犯罪を犯した。一連の間違った決断をした」と述べ、「一言も反省の言葉がなかった」と批判した。

一方、バンクマン=フリード被告は「FTXの危機は経営不届きのせいだ」とし、「起こってしまったことについて申し訳なく思う」と述べている。

その上で、同被告は共同創設者のゲーリー・ワン(Gary Wang)氏やアラメダ・リサーチ(Arameda Research)の元CEOであるのキャロライン・エリソンキャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏などを称賛した。両者は裁判においてバンクマン=フリード被告にとって不利な証言をしていた。

バンクマン=フリード被告の弁護人であるマーク・ムカシー(Mark Mukasey)氏は、同被告を「不器用な数学オタク」と称し、間違いを犯したが繊細で心優しい人物であると主張。「バンクマン=フリード被告は心のなかに悪意を持って決断することはない。頭のなかで数学的思考で意思決定をしている」と続けた。

しかし、こうした主張はカプラン判事に影響を及ぼすことはなく、「非常に重大な犯罪を犯した」とし、判決に至った。カプラン判事はバンクマン=フリード被告が「犯罪の責任をとる意思はなく、嘘をつきながら回避しようとした」と述べ、将来的に同被告が「同じ過ちを起こすリスクが高い」と付け加えた。


検察側は40年〜50年の懲役を求刑

なお、検察側はバンクマン=フリード被告が「比類のない強欲と傲慢」な人生を送りながら犯罪に対して反省をまったくしていないと主張し、40年から50年の懲役を求刑していた。これに対し、バンクマン=フリード被告側は最高でも懲役7年が妥当であると主張していた。

判決後、連邦検察官ダミアン・ウィリアムズ(Damian Williams)氏はフリード氏への判決について「重要なメッセージ」であり「被告が2度と詐欺を犯すことを防ぐだろう」と述べた。

参考:報道
画像:Shutterstock


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