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暗号資産
金融・経済

【NEWS】FTX、修正した債権者への返済計画を提出

里見 晃
2023/12/19

保有資産の売却進め効率的な分配目指す

昨年破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの資産管理団体は16日、同取引所のユーザーと債権者の分配請求に対して修正した計画を提出した。

提出した再建計画によると、FTXは顧客と債権者に数十億ドルを返済するとしている。債権の価値は破産申請日の2022年11月11日時点の資産価格に基づいて計算するとしている。暗号資産の価値は破産時のレートに基づいて現金に変換される計画だ。

また、すべての債権者にとって価値を最大化し、効率的に分配することを目指すとも説明した。

FTXは債権者にドル建て資産を分配するため、保有していた投資信託などの売却も進める計画だ。破産裁判所は11月末、グレースケール(Grayscale)とビットワイズ(Bitwise)の暗号資産投資信託で約8億7,400万ドル(約1,250億円)相当に関する売却提案を許可している。

FTXは大手投資家50社に対して31億ドル(約4,450億円)、そのほか900万人の顧客に50億ドル(約7,175億円)以上の負債を抱えている。

税務署にあたるIRS(Internal Revenue Service)は、FTXが依然として440億ドル(約6兆3,140億円)の税金を滞納していると主張しており、ユーザーが損失を取り戻す前に資金を回収するのではないかとの懸念も広がっている。

FTXは声明で「計画とこの開示声明では、すべての債権者と利害関係者にとって最良、公平、かつ経済的な結果を生み出すことを目指している」と述べた。

この計画は来年にも債権者による投票で決定され、裁判所から最終承認を得る前に、より具体的に詳細を詰めていく予定だという。なお、最大の債権者はこの計画について同意をしているようだ。


元CEOの量刑は来年3月に言い渡し予定


FTXの再建計画が進むなか、創設者で元CEOのサム・バンクマン=フリード(Sam Bankman-Fried)氏に対する量刑言い渡し時期も刻一刻と迫っている。

先月、バンクマン=フリード被告は詐欺罪など7つの罪について有罪を言い渡されており、仮釈放なしの懲役100年以上となる可能性がある。

このほか、来年3月には別の裁判も開始される予定で、有罪となれば刑期はさらに伸びる見込みだ。

バンクマン=フリード被告からFTXを引き継いだジョン・レイ(John J. Ray)氏らはこれまでに50億ドル相当の資産を取り戻しており、債権者への返済でさらに46億ドル(約6,600億円)相当のを清算する予定だ。

また、FTXが保有していた資産を預かるギャラクシーデジタル(Galaxy Digital)は管理資産を増やしている。管理資産は1年前の17億ドル(約2,440億円)から53億ドル(約7,600億円)へと増加した。

参考:法廷文書
画像:Shutterstock


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