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【NEWS】SECゲンスラー委員長、ビットコイン現物ETF申請について「取り組んでいる最中」と言及

里見 晃
2023/10/18

米SEC(証券取引委員会)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は18日、ビットコイン(BTC)現物ETFの審査について問われ、「スタッフが複数の申請書の検討に取り組んでいる最中だ」と述べた。

これはブルームバーグのインタビューに答えた際に言及されたものだ。SECが審査しているビットコイン現物ETFの複数の申請状況について質問された際、「コメントは控えたい」として詳細は明らかにはしなかったが、スタッフが審査を続けていると述べた。

プロセスについて情報開示に関するチームが取り組んでいると述べ、「事前に判断するつもりはない」と語った後、「スタッフが複数の申請書に取り組んでいる状況だ」と続けた。

SECでは複数の企業が申請しているビットコイン現物ETFの審査について、「8社から10社の申請書について検討している」とし、これらのプロセスは株式のIPOに似た手続きが必要で、通常は12ヵ月から15ヵ月ほどの期間を要すると語った。

また、ゲンスラー委員長は「我々は個人投資家や機関投資家を守る機関であり、リスク等について十分に検討する必要がある。(インタビューをみている)視聴者に理解してもらいたいのは、我々の目の前にあるETFは1つではなくて複数あるということだ」と述べ、早期に決断を下すことは困難であるとの見立てを示した。

さらに、「資産運用会社が何かしらの商品を出す場合、これらの取引所で取引される商品はSECに登録する必要がある」とし、ビットコイン現物ETFは株式と同じくSECに登録する必要があり、これまでの十数年にわたるプロセスに沿って検討しなければならないと強調した。

また、ゲンスラー委員長は暗号資産(仮想通貨)運用大手のグレースケール(Grayscale)との訴訟で、裁判所の判決について控訴しなかった件については「コメントは控える」とした。

ビットコイン現物ETFは複数の企業が申請しているが、複数の企業が1度に承認を得るか、あるいは1社が先んじて承認を得ることになるかについてもコメントを控えた。

SECは先月、ブラックロック(BlackRock)、インベスコ(Invesco)、ヴァルキリー(Valkyrie)など大手資産運用会社が申請しているビットコイン現物ETFを承認すべきか否かを決定する審査の期間延長手続きを行った。

ビットコイン現物ETFを巡っては、先日ブラックロックが規制当局より承認を受けたという米暗号資産メディア・コインテレグラフ(Cointelegraph)の誤報によってビットコインの価格が急騰。改めてビットコイン現物ETFが市場に与える影響力を示した格好となった。

参考:ブルームバーグ
画像:Shutterstock

里見 晃