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金融・経済

【NEWS】米SEC、ブラックロックのイーサリアム現物ETFの判断を延期

里見 晃
2024/03/04

ーサリアムETF申請の可否判断を再び延期

SEC(米証券取引委員会)は4日、世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)が昨年11月に申請したイーサリアム(ETH)の現物ETFに関する判断を再び延期した。

本来予定していた判断時期より約1週間早めく延期が決定された。このETFは承認されればナスダックに上場する予定だ。

SECがブラックロックのイーサリアム現物ETF「アイ・シェアーズ・イーサリアム・トラスト(iShares Ethereum Trust)」に対する判断を先送りするのは今回で2回目だ。前回は1月に延期を発表しており、3月10日に次の判断時期が迫っていた。

SECは米大手資産運用会社フィデリティ(Fidelity)の現物イーサリアムETFの可否判断も1月18日に延期している。

SECは4日、イーサリアム現物ETFの承認に関連し、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムであるPoS(プルーフ・オブ・ステーク)が「詐欺や操作に対する脆弱性に関する特有の懸念」を引き起こすかどうかについて具体的に質問をした上で、パブリックコメントを求めた。コメントは今後21日以内に提出され、反論は35日以内に提出される予定である。


意見がわかれる承認予測

イーサリアム現物ETFが承認時期については、アナリストらの間でも意見がわかれている。前向きなアナリストは「承認は間もなくであり、早ければ5月にも承認が得られる可能性がある」と述べているが、慎重なアナリストは、イーサリアム現物ETFの承認はまだ不確実であるとみている。

ブルームバーグのETFアナリストであるジェームス・セイファート(James Seyffart)氏は、1月の延期の際「今後もイーサリアム現物ETFの可否判断に遅れが出るだろう」と予測。「イーサリアム現物ETFの決定は早くても5月までは下されない。次に重要な日付として5月23日を注意深く観察している」とX(旧Twitter)に投稿していた。

バリアンファンドCEOのジェイク・チャービンスキー(Jake Cherbinski)氏はXの投稿で「5月23日までにイーサリアム現物ETFが承認されないとは言い切れないが、法的問題と政策環境により否決される可能性が高い」と見解を述べている。

また、SECのゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長はビットコイン現物ETFを承認した際、「SECがビットコイン現物ETFを承認したからといってほかのものも承認すると可能性があると解釈すべきではない」と語っていた。

SECはイーサリアムが証券に該当するのか判断できていないという実情もある。イーサリアム現物ETFを巡ってはこの問題を解決しない限り進展しない可能性があり、承認可否及び時期は不透明であるといえる。

参考:発表
画像:Shutterstock


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