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暗号資産
金融・経済

【NEWS】ペイパルが発行するステーブルコイン・PYUSDの流通量が大幅減少

里見 晃
2024/04/18

年初が流通量のピーク

決済大手のペイパル(PayPal)と、暗号資産(仮想通貨)関連企業パクソス(Paxos)が提携して発行するステーブルコイン「PYUSD(PayPal USD)」の流通量が、3月に大幅に減少していたことが判明した。

パクソスが発表したレポートによれば、PYUSDの3月の流通量は1億8,850ドル(約291億円)となり、前月比39%の減少となった。

パクソスはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の規制を受けている。ペイパルのほかにも、マスターカード(MasterCard)やインタラクティブ・ブローカーズ(Interactive Brokers)などが利用する。

2023年初め、パクソスはペイパルと提携してPYUSDを発行することを発表。その後、同年8月に発行を開始した。PYUSDは米ドル預金、米国債、現金同等物を裏付けとするステーブルコインだ。

PYUSDの流通量は、今年初めにピークに達していた。1月は3億100万ドル(約466億円)、2月は3億400万ドル(約470億円)だった。先月29日時点で、PYUSDは1,490万ドル(約23億円)相当の米国債を裏付け資産として保有しており、想定元本1,480万ドル(約22億9,000万円)を維持している。

この報告書では、さらに有価証券の売却と買い戻しに関する契約上の取り決めである逆現先契約の利用についても述べている。パクソスは米国債を過大担保にして、評判の良い金融機関と翌日満期リバースレポ契約を結んでいる。取引相手がデフォルトした場合、パクソスは米国財務省の担保を清算して損失を補うことができ、リスクを大幅に軽減している。

米国債担保リバースレポ契約におけるPYUSD担保の市場価値の総額は1億7,790万ドル(約277億円)で、想定元本ポジションの価値は約1億7,400万ドル(約269億円)。PYUSDの純資産総額は1億9,200万ドル(約297億円)で、想定元本ポジションの価値は1億8,900万ドル(約292億円)となっている。

4日、ペイパルはPYUSDを送金プラットフォームXoomに統合すると発表し、ユーザーが取引手数料を必要とすることなく海外送金を行えるようにした。ユーザーはリンクされているペイパルアカウントからPYUSDをドルに返還し、それを活用できるようになるという。世界160ヵ国の受取人に送金が可能となっている。

参考:資料
画像:Shutterstock


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