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【NEWS】南アフリカ、59社に対して暗号資産ビジネスに関するライセンス発行

里見 晃
2024/03/18

暗号資産の活用に焦点

南アフリカの金融規制当局であるFSCA(金融セクター行動監視機構)は、59件の暗号資産(仮想通貨)ビジネスに営業ライセンスを発行することを承認した。アフリカ経済の発展に向け暗号資産の活用に目を向ける。ロイターなどが報じた。

FSCAの部門幹部フェリシティ・マバソ(Felicity Mabaso)氏は金融セクター会議で演説し、当局が355件のライセンス申請を受領し、12日時点で59件が承認されることを明らかにした。現在、追加の262件の申請を審査しており、南アフリカのデジタル資産産業への関心の高まりを示しているという。

また、ウナティ・カムラナ(Unathi Kamlana)長官は「我々はライセンス申請を処理しており、数字を考慮しながら段階的に対応していくことになる」と述べている。承認を得られなかった場合でも、既存の法律に基づいて再審査を申請することが可能であるという。

南アフリカで暗号資産の事業を継続希望する暗号資産企業は、昨年6月1日にFSCAにライセンスを申請する必要があった。

ライセンスを取得したサービスプロバイダーは、ライセンス取得プロセスの一環として監視の対象となる。これにより規制基準への準拠が保証され、消費者の保護も強化されるという。

同時に、FSCAは適切な許可を受けることなく、暗号資産関連サービスを提供した個人に対する調査を開始する予定であると説明している。


暗号資産を金融商品として扱う意思示す

2022年、FSCAは暗号資産を金融商品として取り扱う方針であることを発表した。その際、金融顧客をリスクから守り、マネーロンダリングやテロ資金供与を防ぐために暗号資産を規制する必要があると述べていた。

同時に、南アフリカ中央銀行金融監視局は暗号資産取引所に対して暗号資産取引に関する報告義務付けるという権限を有することとなる。

南アフリカは暗号資産に対する規制が整っておらず、現時点ではFAIS法(金融諮問・代理業者法)に基づいて環境整備に乗り出す方針だ。FAIS法には、企業が誠実さと誠実さを持続させることを保証するための措置が必要で、消費者を保護することを目的としている。

なお、アフリカ地域では現在ステーブルコイン規制が必要かどうかの検討が行われている。カムラナ委員は「私たちがライセンスを取得して監督することで、おそらく既存の規制の枠組みであるFAIS法では埋められないギャップがあることが判明していくことだろう。そしてそれが何であるかを発見する際には、あたらしい規制を作る必要が出てくる可能性がある」と述べた。

南アフリカの法定通貨ランドはボラティリティが高く、不安定さが常につきまとう。そのため、暗号資産は南アフリカ国民にとってあらたな選択肢となる可能性があり、規制整備の状況次第では普及が加速度的に進むことそ考えられる。

参考:ロイター
画像:Shutterstock


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