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暗号資産
金融・経済

【NEWS】英国政府、ステーブルコイン規制法案を来年早期に提案すると発表

里見 晃
2023/10/30

英国政府は30日、ステーブルコイン規制法案に関する計画をアップデートし、FCA(英金融行動監視機構)とイングランド銀行が監視することを発表した。英国政府は来年早期にもステーブルコイン規制法案を発表、導入するという。

21ページに及ぶ文書によれば、ステーブルコイン規制法案の導入により、FCAは法定通貨に裏付けされたステーブルコインに関連する特定の活動を監督できるようになる。

FCAは規制のなかでステーブルコイン発行の裏付け資産の要件や、償還権、資本要件などを規定することを予定している。この規制ではステーブルコインを法定信託で保有することが義務付けられるという。

文書には、店舗やオンラインでの小売決済におけるサービスや商品の購入に関連する支払いを含む決済が対象となると付け加えられている。法定通貨のピアツーピア送金と同様に、送金を支えたり促進したりする決済サービスは商業ベースで提供されていないピアツーピアのステーブルコイン送金は含まれない。

また、法定通貨に価値を裏付けられたステーブルコインの購入は、PSR 2017(The Payment Services Regulations2017)ですでに規制されているため、これには含まれないと記されている。

一方、中央銀行はステーブルコインの規制を実現するためDSA(デジタルサービス法)が適用されるサービスを監督する予定であるという。

英国財務省は、FCA認可のステーブルコイン企業が財務省によってシステム的に適合すると認められ、中央銀行の監督を受ける必要があるという計画では、政府は中央銀行が主な規制当局として機能を果たし、適切な管理を行うべきであるとした上で、同時にFCAによる規制も受けるべきであると述べた。

英国議員たちはすでに2023年金融サービス・市場法を6月に可決しており、すでに承認済みだ。この法案では暗号資産が金融商品として規制対象となることを明確にしており、ステーブルコインを決済規制の対象としている。

この法律により、デジタル資産業界を含む金融システムを管理する権限が規制当局に与えられた。英国議会上院の承認を得たこの法案は、FCA、イングランド銀行、決済システム規制当局を含む規制当局がデジタル資産分野にあらたな規則を導入することを許可するものであった。

英国財務省のアンドリュー・グリフィス(Andrew Griffith)経済長官は、英国が欧州連合(EU)の一員ではなくなったため、「あらたな法案は金融サービスの規制を英国市場に合わせて調整できるようになった」と述べていた。

同氏は、本提案について「英国が暗号資産テクノロジーの世界的なハブであるというビジョンを実現するために、この業界と引き続き協力していく」と述べている。

参考:発表
画像:Shutterstock

里見 晃