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日米株50銘柄徹底研究|株価好調のトヨタ自動車、Web3.0領域に5億円の出資を発表したソニーグループら老舗銘柄の最新動向

Iolite編集部
2023/09/28

Web3.0関連銘柄の株価動向を考える

近年はITのみならず、さまざまな業種・業界においてブロックチェーンや暗号資産、NFT、メタバースなど「Web3.0」事業を手がける上場企業が増えている。ここでは、そんなWeb3.0関連銘柄の株価動向を考えてみよう。

たとえばトヨタ自動車は、グループ会社を通じて暗号資産やNFTについて研究・開発を行なっている。同社の2024年3月期の第1四半期(4 ~6月期)決算は、売上高10兆5,468億円(前年 同期比24.2%増)、営業利益1兆1,209億円(同 93.7%)と好調そのもの。

株価も上場来高値を更新した。本業ではEVへの対応などが懸念されるが、業績が維持されるなら株価も堅調に推移するだろう。 

世界的な多国籍コングロマリット企業に成長したソニーグループもゲームやNFTに取り組んでいる。9月初旬時点の株価は1年前より約15%上昇していて、動向は悪くない。今期の売上高は12兆2,000億円を見込んでいて、達成への確度が高まるほど株価に反映され、来期も良い流れを引き継ぐ可能性が高い。


●トヨタ自動車(7203)

カテゴリ:自動車
世界のトヨタに期待される 新技術の実用性と可能性

世界的自動車メーカーのトヨタはいち早くブロックチェーン技術に注目し、実際に利便性の高いシステムを複数導入している

日本を代表する自動車メーカーのトヨタ自動車株式会社は世界中から高い評価を獲得しており、2022年における販売台数はグループ全体で1,048万台を突破、ドイツの「フォルクスワーゲン」グループを上回って3年連続で世界トップに輝いている。

そのほか、トヨタは自動車以外の分野についても積極的な事業展開を行っており、なかでも2019年4月に立ち上げた「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ(TOYOTA BLOCKCHAIN LAB)」は業界内外から注目を浴びている。

トヨタ・ブロックチェーン・ラボはトヨタグループの主要関連企業が横断的に連携して立ち上げたバーチャル組織で、ブロックチェーンを駆使したあたらしい価値創造を追求している。

トヨタグループ各企業からそれぞれの担当者が集まり、「サプライチェーン」、「ヴィークル(Vehicle)ID」、「パーソナル(Personal)ID」という3つの領域においてブロックチェーンの導入を進めており、さまざまな実証実験を通して実際の活用事例が報告されているほか、その実用性に大きな注目が集まっている。

▶▶︎今後の見通し
コロナ禍以降の株価は好調であり、Web3.0領域の新事業も注目されていて、今後の株価推移に期待が持てる


●三井物産(8031)

カテゴリ:総合商社
金価格との連動を目指す「ジパングコイン」を発行

ブロックチェーンとデジタル資産の分野でのビジネス展開の強化を主題に、三井物産は日本国内でWeb3.0の普及を目指す

日本を代表する5大商社のひとつ三井物産は多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開している。

そうしたなか、2023年6月にはWeb3.0領域における大手企業アニモカブランズ(Animoca Brands)との資本業務提携及び戦略的パートナーシップに関する覚書締結を発表した。

アニモカブランズは香港を拠点とするゲーム会社で、「The Sandbox」や「Revv」などのタイトルを手がけるほか、ウェルネスや脱炭素など、ブロックチェーンの活用に焦点を当て、NFTマーケットプレイス大手のOpenSeaや分散型自治組織(DAO)の Yield GuildGames(YGG)に対し出資も行っている。

今回の提携を通じて、両者はブロックチェーンとデジタル資産分野におけるビジネス展開を強化していく方針だ。また、三井物産傘下の三井物産デジタルコモディティーズでは、金の価格に連動することを目指す暗号資産「ジパングコイン」を発行するなど、Web3.0領域でも三井物産の存在感が大きくなりつつある。

▶▶︎今後の見通し
ブロックチェーンを使ったデジタル証券化で、少額運用の個人投資家への裾野の広がりも期待されている。


●ソニーグループ(6758)

カテゴリ:電子機器
Web3.0スタートアップに対して、約5億円の出資を発表

スターテイル・ラボとの資本提携で、ソニーグループはWeb3.0時代を支えるグローバルインフラの確立を目指す

2021年4月1日付けで商号を「ソニーグループ株式会社(Sony Group Corporation)」に変更したソニーグループは2023年6月、傘下のソニーネットワークコミュニケーションズを通じてWeb3.0インフラ開発等を行うテック企業のスターテイル・ラボ(Startale Labs)と第三者割当増資に伴う株式割当契約を締結。シードラウンドにおいて約5億円を出資した。

スターテイル・ラボはAstar Networkの創業者である渡辺創太氏が設立した企業。Astar Networkの開発で培ってきた実績やリレーション/コネクションを用いてプロダクトの開発を行なっている。また両者は同年9月、独自ブロックチェーンの開発を目的とした合弁会社を設立すると発表した。


新会社を通じてWeb3.0キラーユースケースの創出とグローバルインフラ化を目指すとしている。ソニーが積み重ねてきた通信事業などでの知見・実績と、今注目集まるスターテイル・ラボが有するWeb3.0領域の専門性をかけあわせることで国内にあらたな風が吹く可能性がある。

▶▶︎今後の見通し
Web3.0のインフラからアプリケーションまで、一気に自社開発が可能になったソニーグループの今後の動きに注目


●東京電力ホールディングス(9501)

カテゴリ:電力・ガス
電力アセットNFTを用いたWeb3.0事業を推進

電力販売量は減少傾向が続き、業績も下降線をたどる東京電力が掲げる電力アセットを活用したWeb3.0事業の可能性

東京電力は5つの事業会社からなる電力販売量日本一の電力会社だ。販売電力量は天候や経済活動などの影響を直接受けることに加え、国の方針にも左右されることから変化が大きくなる傾向にある。特に近年は省エネ意識の向上や電力自由化などの影響も重なり、同社の電力販売量は減少傾向となっている。

2022年以降の株価はやや回復傾向にあり、特に電力需給の逼迫が意識されると株価が上昇する傾向がみられる。東京電力ホールディングスはWeb3.0事業にも取り組んでおり、子会社・東京電力パワーグリッドと中部電力やICMGパートナーズとが2018年に設立した合弁会社・グリーンウェイグリッドグローバル社にて、東京電力パワーグリッドが主にリクルート向けに発行している「鉄塔カード」をベースにした電力アセットNFT「鉄塔&電柱NFTカード」を開発、NFTマーケットプレイス「HEXA」で販売している。

同社の今後の方針としては、電力アセットNFTを用いた「あらたな価値」を付加させる仕組みを推進していくとしている。

▶▶︎今後の見通し
電力アセットを活用した参加型社会貢献コンテンツの可能性に期待の声も、近年の本社の業績に懸念材料もあり


●サンリオ(8136)

カテゴリ:卸売業
Gaudiyが手がける「Gaudiy Fanlink」と連携

物販の利益改善や海外事業の拡大やWeb3.0事業など今後の好材料が複数あり

サンリオは新型コロナ拡大の影響を受けて一時は赤字に陥っていたが、サンリオピューロランドやハーモニーランドといったテーマパークと低迷していた米国事業が黒字化。さらにライセンス使用料の収益拡大などにより、2022年以降の株価は上昇傾向にある。

株価の推移をみてみると、一時は2,000円台前半まで落ち込んでいたが2023年9月時点では7,000円台まで上昇している。Web3.0事業においても2022年にブロックチェーン事業を展開するベンチャー企業のGaudiyと協業し、サンリオのキャラクターを活用したグローバル向けコミュニティサービスをリリースすると発表。

NFTや分散型IDなどを有するGaudiyのファンプラットフォーム「Gaudiy Fanlink」との連携や、同社が新規開発するメタバース事業との連携も進めるとしている。サンリオはWeb3.0時代のエンターテインメントの方向性として「ファンと企業が一体となってコミュニティを盛り上げるこれまでとは違う楽しみ方が広がっていく」と予想し、Web3.0事業を推進していくとしている。

▶▶︎今後の見通し
上昇が一過性である懸念もあるが、2022年から急騰している株価は今後数年にわたって好調が続くと予想



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Iolite編集部