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日米株50銘柄徹底研究|JAL、ANA、JR東日本の陸・空運関連、そして日テレ、テレ朝といった大手メディアのWeb3.0領域進出を占う

Iolite編集部
2023/09/28

来年はさらなるニーズの拡大が期待

JAL、ANA、JR東日本といった空運・陸運はブロックチェーンや暗号資産関連事業も手がけている。これら銘柄に共通するのはコロナ禍による業績不振だが、2023年は需要の回復が顕著で、コロナ前の水準には及ばないものの株価も勢いを戻しつつある。

来年はさらなるニーズの拡大が期待され、株価にも反映されるのではないだろうか。

また、NetflixやYouTubeなど、大量の動画コンテンツを抱えるプラットフォーマーの出現で苦境に立たされているとされるオールドメディア。テレビ業界も例外ではないなか、新規事業を通して活路を見出そうとWeb3.0領域でもさまざまな挑戦を続けている。


●日本航空(9201)

カテゴリ:空運
体験型NFT「KOKYO NFT」の実証実験を実施

コロナ禍の影響で赤字続きだった日本航空は、Web3.0事業に可能性を見出して失地回復できるか

ここ数年のコロナ禍の影響で大幅な減益となっていた日本航空だが、コロナ禍が過ぎ、国内外での客足が戻りつつあるなかで業績も回復しつつある。国際線は外国為替市場の円高や欧米諸国のインフレなどの影響でやや客足の戻りは遅いものの、国内線に関してはコロナ禍前の水準まで回復している。

また、日本航空はあらたな取り組みとしてWeb3.0事業にも参入した。博報堂の協力のもと、地域の体験プログラムをNFT化し、国内外の購入者を地域の関係人口に変える体験型NFT「KOKYO NFT」の検証を行うため、2023年2月より三重県鳥羽市ならびに鹿児島県奄美市にて、実証実験を実施している。

日本航空によれば、このプロジェクトはWeb3.0時代の到来を見据えたものであるとし、「インバウンドを中心とする訪問者が旅の前後において地域との関係性を長期継続できる仕組みを構築しながら、関係人口を増やしあらたな地域づくりを目指す」と説明している。

▶▶︎今後の見通し
あらたな取り組みとして参入したWeb3.0事業の結果如何によっては、今後の見通しは明るくなる可能性も


●ANAホールディングス(9202)

カテゴリ:空運
「ANA GranWhale NFT MarketPlace」を開設

航空業界でいち早くWeb3.0事業に参入しているANAが展開するメタバース空間「ANA GranWhale」が業界内外で注目

コロナ禍における減収傾向も終わり、航空需要の復活で通期売上高もコロナ前の約9割まで回復したANA。2020年にANA NEO株式会社を設立し、スマートフォン向けメタバース旅行プラットフォーム『SKY WHALE』を開発している。

このように、航空業界でいち早くWeb3.0事業に参入しているANAではエアライングループとしては世界初となる独自のNFTマーケットプレイス「ANA GranWhale NFT MarketPlace」を開設。天変地異やパンデミックなど、突発的に発生する外的要因に大きく左右され旅客数や収益が減るという航空ビジネスのデメリットを補うため、“旅”を軸としたメタバースの構築をスタートさせた。

ANA GranWhaleは旅のテーマパーク『Skyパーク』、バーチャルショッピング空間『Skyモール』、未来の街『Skyビレッジ』という3つのサービスで構成されており、いずれも航空業界のみならず、他業界からも注目されている。また、今後はバーチャル上での医療・教育・行政などのサービス展開を予定しており、こちらも実現すると大きな注目を浴びそうだ。

▶▶︎今後の見通し
航空ビジネスのデメリットを補う「ANA GranWhale」における今後の展望次第で、業界の注目を一手に集める可能性も


●JR東日本(9020)

カテゴリ:陸運
独自メタバース「Virtual AKIBA World(VAW)」をオープン

さまざまな鉄道資産を活用したあらたなビジネスモデルを構築できるかどうかに注目

新型コロナ拡大までは次々とあたらしいビジネスを生み出して安定的に最高益を更新する好業績銘柄だったJR東日本だが、コロナ禍で鉄道収入が大幅ダウン。

そこでJR東日本は「変革2027」というコンセプトを掲げ、2027年までに鉄道サービス事業のさらなる安定化、強化を図った上で、成長余力の大きい生活サービス、IT・Suica事業に経営資源を投入し事業領域を拡大、収益力を向上させることを目標としている。

Web3.0事業にも参入し、2022年3月にはVRサービスを提供するHIKKYと提携して独自メタバース「Virtual AKIBA World(VAW)」をオープンしている。

JR東日本ではVAWを「リアル空間とバーチャル空間を融合させたビジネスの創発拠点」としており、NTTドコモとの連携やリアル駅との相互展開、NFTコンテンツの提供などといった展開を予定している。

また、同年10月には品川など5つの駅における「駅名標」を3D化した動画素材をNFT化し、「LINE NFT」で販売すると発表した。

▶▶︎今後の見通し
コロナ禍後の経済活動が正常化するなかでの業績改善と中期的な成長力に期待


●日本テレビホールディングス(9404)

カテゴリ:メディア
次世代型音楽番組「MUSIC VERSE」が始動

厳しい状況のテレビ業界で、非テレビ事業のイベントやメタバース分野への進出など積極的にWeb3.0分野へ参入

2023年8月に開局70周年を迎えた民放大手の日本テレビホールディングスは2019年にグループを再編。20社を超えるグループ会社を擁し、イベントや動画配信など業種は多岐にわたる。Web3.0事業においても、2023年5月に開催された「TEAMZ BLOCKCHAIN SUMMIT」において傘下の日テレWandsがオフィシャルパートナーとして参加。

同イベントにおいて、アーティスト天野喜孝氏が手がけるNFTアートプロジェクト「ZIELCHAIN(ジールチェイン)」を出展したほか、アイドルをコンセプトにしたNFTプロジェクト「NFT IDOL HOUSE」をプラチナムピクセルと共同で発足するなど、これまで長らくテレビ業界で培ってきた知見をWeb3.0分野へ活かす取り組みを行っている。

そのほか、VTuber/メタバース事業を展開する株式会社ClaN Entertainmentと連携し、メタバース空間で収録する次世代型音楽番組「MUSIC VERSE」を2023年4月より放送開始するなど、積極的にWeb3.0分野へ参入している。

▶▶︎今後の見通し
厳しい状況下であるがNFTプロジェクトや次世代型音楽番組「MUSIC VERSE」に期待は高まっている


●テレビ朝日ホールディングス(9409)

カテゴリ:メディア
「WEB3 x Entertainment Creative Hackthon/Ideathon」を開催

コンテンツを活用したあらたなビジネス領域のひとつとして「メタバース」分野に着目している

テレビ朝日ホールディングスは中期経営計画「テレビ朝日360°2020-2025」を掲げ、そのなかでVR/AR、AI、Web3.0などといったインターネット領域の先端テクノロジーを活用したあらたな収益源の開拓を成長戦略における重点領域のひとつとしている。

実際に2023年3月には「東京Web3ハッカソン」を運営したtreavry社と共に「WEB3 x Entertainment Creative Hackthon/Ideathon」を開催したほか、リアルメタバースプラットフォーム「STYLY」を軸としたXR領域での事業を展開しているPsychic VR Labと資本業務提携契約を締結。リアルな空間にXRレイヤーを重ね合わせることであらたな体験価値を提供するAR(拡張現実)分野での連携も推し進めるとしている。

テレビ朝日はメタバースを意識した番組の制作・放送、IP開発を行っており、『新世界メタバースTV!!』といった番組やテレビ朝日オリジナルのメタバース空間「光と星のメタバース六本木」などを運営しているほか、テレ朝公式メタバースアイドル「めたしっぷ」を生み出している。

▶▶︎今後の見通し
テレビ業界が縮小傾向にあるなか、積極的なWeb3.0分野への参入で今後も上昇傾向にある



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Iolite編集部