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お城×NFT
NFT
Web3.0

NFTは観光業と地域活性化に貢献するか? 「NFT化」のコストと効果はいかに

Iolite 編集部
2023/03/29

「NFT化」のコストパフォーマンスを紐解く

地方自治体におけるNFTの取り組みをレポート。NFTは簡単に作成できて、話題にもなるためコストパーフォーマンスが良いとされる。

地域活性化や環境業界の盛り上げを目的として、地域の名産品や名所をNFT化するという動きが全国で始まっている。

特にNFT化する対象としてよく取り上げられるのが城である。日本らしさがあり、各地域が誇る名所であり、さらに写真やイラストにしたときに見栄えが良いというのがその理由だろう。

日本全国にある温泉地や酒蔵、城郭などの観光資源をNFT化している「ルーラNFT」は、2022年に「現存天守12城」というNFTシリーズを発行・販売している。

これは現存している全国12城の写真画像と、人気声優が担当した解説音声をNFT化したもの。実際に城の半径2キロ以内に行くことで購入できるという仕組みを採用している点も大きな特徴だ。

単なるNFT画像の販売ではなく、観光を楽しんでもらうための補助としてNFTを活用している例といえるだろう。

城に関連するNFTとしては、御城印(城を訪れた際にもらえる登城記念証)をNFT化したものもある。それが、2022年にexcuance社などが販売した「御城印NFT」である。このプロジェクトでは、群馬県内にある厩橋城・前橋城・石倉城・白井城・蒼海城の御城印を各100枚限定で発売した。

一方、カーナビ事業や、移動距離に応じてポイントが貯まるアプリ「トリマ」で知られるジオテクノロジーズ社は、「位置情報付地図アイコンNFT」を発表。

これはカーナビなどのデジタル地図上に表示される、建造物やランドマークなどのアイコンに緯度経度の位置情報を付与し、さらにNFT化したもの。「GT Building Collection」というNFTシリーズの第1弾として、日本の城をドット絵で表現したアート作品を販売している。

このように全国各地の名所をNFT化し、それを観光業や地域活性化に利用する試みは今後もますます増えていくはずだ。


NFT化により話題になりやすいというメリット

地域活性化にはさまざまな手法があるが、NFT化は比較的コストパフォーマンスが良いと考えられる。実は画像やイラストのNFT化はそれほど難しい作業ではなく、やり方を知って入ればすぐにできるからだ。

それでも、NFT化という情報の真新しさから、話題になりやすいというメリットがある。また、デジタル商品であるNFTは、売れ残ったとしても手元に在庫が残るわけではない点も長所といえるだろう。

ただし、「NFTなら何でも売れる」時期はすでに過ぎ去っている。全国にアピールできるほどの話題性を獲得するためには、地域や観光業が一体となってプロジェクトを盛り上げる必要があるだろう。

Iolite 編集部